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『Survival of the Dead』

「ロメロ思想」の総決算か。
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ロメロが亡くなった今、長きに渡り続いたシリーズが途切れてしまった事への悲しみが沸々と湧き上がってきます。もうお堅いゾンビ映画が観れないんだと、喪失感に襲われたりします。
真面目に作り過ぎて面白くなかった作品もありましたが、それでも巷に溢れるB~Z級ゾンビ映画とはかけ離れた素晴らしいものでしたから。2009年に制作された本作は、最後の「~オブ・ザ・デッド」です。6作品目。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド発表の1968年から足かけ40年かぁ。凄いわ、ロメロ。
「ゾンビ映画の父」と言われる由縁が十分にわかる年月です。最後の作品とわかっていたのか、本当にクソまじめに仕上がってます。感慨深く観ました。
ロメロ。本当にありがとう。



ロメロ作品レビューはこちら↓
ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド
ドーン・オブ・ザ・デッド
デイ・オブ・ザ・デッド
ダイアリー・オブ・ザ・デッド

ランド・オブ・ザ・デッドは未見。




ゾンビが町をを歩き始めた世界。
徐々に生者が死者に追い詰められている悲壮感がわかります。
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主人公のサージ。
州兵に志願したものの、仲間は馬鹿だしゾンビの底なしな勢いに押されて鬱状態です。本人のサバイバルに関するスペックは高めなんですが、何せ他の州兵が無能だから優秀な者が死ぬんですよ。




さっきまで一緒に戦っていた仲間が仲間の肉を食らい・・・
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『二度目の死』を与えなければならないのです。
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(昔のようなリアルさに欠け、紙が爆発したみたい)






そんな生活に嫌気がさしたサージは、信用できる優秀な仲間を連れて徒党を組みます。してることは強盗と同じ。市民を守って国が自分たちに何を施してくれる?自分たちは自分たちで生き抜くんだ!
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(ダイアリー・オブ・ザ・デッドのシーンですね)


シーンは変わって。



プラウ島。
昔ながらの閉鎖的な島です。

『改革派』のオフリン家。
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俺たちの島にゾンビがいるなんて許せねぇ。
それが近所の野郎や家族だとしても、天国に送ってやるのが筋ってモンだろう!という強硬派閥です。




けどね、そんなオフリンも子供のゾンビを殺すには躊躇します。それが普通だ。
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悪の根は絶っておかなくてはならない。それでも引き金が引けないオフリン。




そこに現れたのがマルドゥーン家。
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『保守派』を謳う彼は、オフリンの行動を制止に来たのです。

天国に送るのは神だと言わんばかりです。
どんな形であれ、人間が人間を殺すのは間違っているという穏健派。



島の実権を分裂させる2家族の姿を、冷めた目で見つめる女性。
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ジャネットは、オフリンの娘ですがオフリンの考えには賛成しかねています。だからといってマルドゥーン家の考えも容認してないようでして。
多勢に無勢のオフリンは数名の仲間と共に島を追い出されてしまいます。
ジャネットはもちろん父親には付いていきません。頭を冷やして欲しいと考えたのかな。

しかしこんな事でオフリンが諦める事はありません。



一方、サージ達の略奪行為は続いていて、この夜も一般人を襲うのですが。
この一般人たちの行為がサージの逆鱗に触れる事になります。

↓ゾンビの首を狩って晒し者にしている。
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戦いを潜り抜け、多くのゾンビを始末してきたサージでさえ、死者を冒涜するこの行為に怒りを覚えます。
サージの鉄槌が下りたところで、捕虜になっていた若者を助けて移動です。


どっちが「悪者」かわからないですねぇ。

サージ自身は心許せる仲間とゾンビのいない世界へ行きたいと思っているだけなんです。行く先々では殺戮が横行し、不必要な血が流れる始末。ゾンビが発生した事は「きっかけ」に過ぎす、人間が持つ「悪」が露呈した現実に苛立つのです。


助けた若者が「動画で安全な島がある」と皆に報告します。
あ、オフリンだ(笑)
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「怪しいじゃないか!」
「けど、ゾンビがいないんだぜ?」
「だいたい安全なら全員が押し掛けてるだろ」

仲間内で議論した末、島に向かう事を決意したサージです。
吉と出るか凶と出るか・・・。



港に到着した一行ですが、百戦錬磨の彼らが静かな港に不信感を抱くのは当たり前です。
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きっと暗闇に紛れて隠れているだろうと踏んだら、ゃっぱりそうだった。

オフリン達が待ち構えていたんですね。
島を追い出された後、動画を配信して島に人を送り込んでいたのです。送り込む理由は簡単。
マルドゥーン家に復讐する為です。←効果あるのかね?


ずらかろうとしたら地雷が設置してあった!!
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「用意がいいな」
「よし、泳いで船まで行く!」

仲間の一人が海に飛び込みます!
オフリンが攻撃してくる中、サージ達も応戦します。
順調に泳いでいた仲間ですが、海の中にはゾンビがいた!
顔を掴まれましたが、ゾンビの指を噛み切って、ことなきを得ます。
(この行為が後にゾンビ化してしまう布石とは)


船内に潜り込めたものの、やはりゾンビはいます。
消火器で退治したけど、これはちょっとコメディー入ってるやんwww
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目玉がポヨヨ~ンッて・・・

船を稼働させて桟橋まで移動すると、サージ達も急いで船に飛び乗ります。


オフリンを除くメンバーは全滅し(ゾンビに一瞬で食われる)、生き残ったのはオフリンだけ。
サージだと絶対に許さない乗船ですが、ちゃっかりと乗るのが微笑ましい。
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目指すはプラウ島!
それぞれの思惑を乗せて出航です。


自己紹介もそこそこに、船内にいるゾンビを始末しなければいけません。

知能を持ったゾンビは、船内の車を運転し危うく轢かれそうになったり。
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生きていた頃の生活習慣を残したままゾンビ化したした姿に、恐怖と悲哀があります。

サージは少しもオフリンを信用していませんが、島に行くためにはこのオヤジに付いていくしかありませんからね。



サージのゾンビに対する処置が、もはやギャグに近い。
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そして到着。


島は静か。
サージの危機管理能力がまたも発揮し、「何かいる」と察知するのです。

オフリンの動画を観て島にやって来た人々の死体が無残に転がっていました。
オフリンは言います。
「きっとマルドゥーンの仕業だ。余所者が島に上陸するのを嫌っての行為だ」

あんたが島に誘致したんだろが。




おお、ゾンビが日常生活を送っている!!
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ある者は郵便配達をし、ある者は畑を耕している。
しかしその足には鎖が巻かれており、ただ同じ動作を繰り返すまで。

全員ポカーン・・・。
オフリンは怒りで声が震えます。

「マルドゥーンの奴、こうやって『生かしてる』つもりなのか。これこそ冒涜だ!」

サージはオフリンとマルドゥーンの両家が昔から島を二分して争っている事実を知ります。
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今までゾンビを始末してきたサージから見れば、この生かす行為が正しいのかはわかりません。
悲しい反復をしているゾンビをオフリンは始末します。


するといきなり藪から銃撃され、サージの仲間が射殺されます。
一番信頼していた仲間が目の前で死に悲しんでいるのに、オフリンは迷わず頭部に鉛を撃ち込みます。
サージは激高!
一番信頼していた仲間を二度も殺されたからです!
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サージ、喋る×2!
仲間を殺され、自分も撃たれ、まして罪のない人たちをゴミのように殺したマルドゥーンを許さない!と息巻くのです!鬱状態だった序盤のサージとは別人だぜ!


そんな中、颯爽と馬に乗って走り去る女性が。
美人です。が、顔が変。ゾンビやん!!
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「あれはワシの娘だ」

ええ!序盤に出て来たジャネットがゾンビになっちゃったの!?
お父さんと行動を共にしていれば、少なからず島でゾンビにならなかったのではないか。



一方、マルドゥーンはゾンビを家畜同様に扱い「教育」中であります。
人ではなく豚を食うように躾けているのですがうまくいきません。
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マルドゥーン曰く「死ぬ前がアホだったからだ」らしい。
それは・・・どうやろ(笑)



そして思い付きます。
あの馬に乗った女ゾンビ。「オフリンの娘を連れて来い」
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本当にこれが正解なんでしょうか。
死んだ人間が生き返り、生存時とはまったく違った状態でも「威厳」は必要なのでしょうか。


マルドゥーンの指示で女ゾンビを捕えました。
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ん?
ジェーンとな?



そうなのです。
ジャネットは双子だったのです!
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両家の対立に嫌気がさしたジャネットですが、ジェーンがゾンビになった今、父にマルドゥーンとの「対話」を促します。


両家の無益な殺戮が開始され、そこにゾンビが加わり地獄絵図の始まりです。
加勢に来たサージも応戦し、マルドゥーン派を追い詰めます。この状況でもジャネットは「争ってはいけない」と父に訴えます。
オフリンはジャネットの心からの訴えに心をようやく開きます。

が、マルドゥーンに撃たれてしまいます。
息も絶え絶えなオフリンも、最後の力を振り絞ってマルドゥーンを射殺。

長2人が死んだ今、島は大混乱!!

争いの中、ジャネットはジェーンが自分の馬の肉を食べる姿を見ます。
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ジャネットは「ゾンビが人を襲わなければ、島はうまくやっていける」と喜んでいたのですが・・・。

ジャネットは最悪な最期を迎えてしまいます。
(これは辛かったなぁ)



両家が全滅し、ゾンビしか残らない島に用はありません。
サージは生き残った仲間と共に島を去る事にしました。
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お金も名誉もいらない。
逆にこの島も、本土と一緒であった。



この島のゾンビが馬を食うという事実を知らないまま、サージ達は島を去るのです。
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★★★★★★★
小さい島でも、争いごとは一緒。
「どうして協力して平和に生きられないのか」という定義を40年以上経ってもロメロは描き続けてきました。内容はどうであれ、一貫したテーマをここまで世に発表し続けたロメロがもういないのは、本当に淋しいものです。
ゾンビが最後に馬を襲って食うシーンが今までとは違った結末でしょう。馬もゾンビ化しちゃうやん。そういえば動物がゾンビになる映画もありましたね。チーターがゾンビになったら武器がない限り、間違いなく助からないでしょう。
大人気テレビドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」っぽいのも、ロメロが少しは影響を受けたのかなぁと勝手に想像してます。
未来のゾンビ映画に幸あれ!!!




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テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

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