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読書感想文『邪宗門の惨劇』

「怖ミス」と「バカミス」のギリギリ
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・読みやすさ
★★★★☆
・恐怖度
★★☆☆☆
・大どんでん返し度
★★☆☆☆
・感動度
★☆☆☆☆
・総合評価
★★☆☆☆


<あらすじ>
〈母さん、帰らぬ、さびしいな。金魚を一匹突き殺す まだまだ、帰らぬ、くやしいな。金魚を二匹締め殺す なぜなぜ、帰らぬ、ひもじいな。金魚を三匹捻じ殺す〉―北原白秋の奇妙な童謡『金魚』とともに送られてきた中学時代の同級生からの招待状。東京渋谷区の高級住宅地松涛に建つ洋館を訪れた推理作家・朝比奈耕作を待ち受けていたのは、無限に連なる蝋燭の輝きと美女が二人に死体がひとつ。ワーグナーの歌劇が鳴り響き、金切り声で白秋の詩が朗読される異常空間で何が起きるのか?『館』での殺人の新構想登場。
-BOOKデータベースより-


故 吉村達也氏の作品はクセがなく読みやすい。
テンポよく、サラッとページをめくることが出来る。高野豆腐のようにスーッと入っていく(例えが下手)。
テンポは良いんですが、まず設定が既にバカミスだと思う本作。


そもそも怪しい洋館に、興味本位でノコノコ出向くのは不用心過ぎる。「他言無用」と言われたら余計に警戒すべき。たとえば弱みを握られて仕方なくといった事でもない限り冷静に考えるべきだろう。
私はミステリーを読む時、自分もその状況に身を置くタイプ。メンバーと一緒に恐怖を味わうのではなく、冷静に現場検証するのです。つまり、どこかに「ネタバレ」が隠れてないかを探す。


主人公、朝比奈とは別に、洋館には既に先客2人がいて、少ないながらも情報をくれる。つまり3人で力を合わせて洋館を脱出するのだ。照明の無い館内に、おびただしい数のロウソクだけが視覚の頼りというのも、状況づくりを上手に演出していると思う。

どうして3人が洋館に呼ばれてたのか、理由を考える時間を与えられています。けれど頼りのロウソクが3本になった時、思考回路は視界と同じく狭まっていき、疑心暗鬼へと繋がっていく。
3人の過去の延長線上に見える「ある人物」の存在が浮かび上がった時、唐突に発生する殺人事件。


死体は血だらけで転がり、それは彼らを呼んだ人物ということで唖然です。
発狂してもおかしくないほど恐ろしいはず。1人は恐怖でパニックを起こしますが、2人は至って冷静です。殺人が起きれば死に物狂いで脱出を考えるでしょうが、犯人を刺激する可能性もありますからね。


謎の洋館の雰囲気はよくできています。
それ故に朝比奈という男が、2人の美女に恋慕されてる部分は余計っぽい気がします。人物の奥行きを出したかったのでしょうけど、私は朝比奈を好きになれん(笑)



肝心の犯人ですが、想像通りでした。これは誰もが想像できる範囲ですね。
そして洋館を使ったトリックは、犯人の底知れぬ憎悪が生み出した舞台だったのです。この洋館に思い入れ等は一切なかった(笑)だけど、舞台は整ったのです。


「そこまでするか?」

という犯人の行動。
凄いです。
恨みはね、人によって違うと思うけど執念ですよ。規模が大きいほどここまで遂行する労力と時間を掛けられるのだ。



だから犯人が「真実」を知った時の衝撃は、それに比例するでしょう。



一番悲劇なのは、犯人によって逆恨みされ殺された最後の犠牲者だろうな。


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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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